永住ビザの取り消し
日本には「永住ビザ(永住者の在留資格)」という特別なビザがあります。これは、外国の人が日本でずっと安心して暮らしていけるビザです。
普通のビザのように何年ごとに更新しなくても大丈夫です。
しかし、この永住ビザにも「ルール」があります。そのルールを守らなかった場合、ビザが取り消されることがあるんです。
この記事では、永住ビザが取り消される理由や、どうしてルールが見直されることになったのかなどを、やさしく説明します。
1.永住ビザが取り消されるのはどんなとき?
次のようなことをした場合、永住ビザが取り消されることがあります:
- 引っ越ししたのに、ちゃんと届け出をしなかった
- 実際とは違うウソの住所を届け出た
- 永住ビザをもらうときにウソをついた
- 税金や社会保険(健康保険や年金など)を払っていない
- 犯罪をおかして、1年以上の刑を受けた(とくに薬物など)
つまり、「日本に住んでいる外国人としてのルール」を守っていないと、ビザがなくなってしまう可能性があるということです。
2.どうして制度が見直されるの?
「永住ビザをもらった後にルールを守らなくなる人がいる」という問題が出てきました。たとえば、
- ビザをもらう前は税金をちゃんと払っていたのに、もらったあとは払わない。
- 社会保険に入らないまま生活している
永住が許可された時点では、税金・社会保険を支払っていました。
許可された後、安心して、払うのをわざとやめる人が増えたのです。
今まであいまいだったルールを、はっきり決めて、「まじめにルールを守っている人が損をしない社会」にするために、制度を見直すことになったんです。
3.「永住者」になったら一生そのまま?
いいえ、そうとは限りません。
たしかに、永住ビザには「この日まで」といった期限がありません。
だから、一度もらったらずっと住めると思ってしまうかもしれませんが、
それは「ルール・税金等の支払いを守っている人」という前提があるからです。
だから、あとから税金を払わなくなったり、社会保険に入らなかったりした場合は、「この人は永住にふさわしくない」と判断される可能性があります。
4.日本人と同じように税金の督促(とくそく)だけでいいんじゃないの?
「税金を払っていないなら、ふつうに催促して、それでもダメなら差し押さえればいいのでは?」と思うかもしれません。
でも、永住ビザは「ちゃんと社会のルールを守れる人」だけがもらえる特別なビザです。だから、ただの督促だけではなく、「この人に永住の資格があるかどうか」をもう一度しっかり判断することが大切だと考えられています。
5.ルールが厳しくなったの?
「新しい条件が増える」というわけではありません。今まであいまいだった内容(たとえば、「日本のためになる人」ってどんな人?)を、もっとわかりやすくしただけです。
たとえば:
- 税金を払っている
- 社会保険に入っている
- 住所の届け出をしている
など、ルールを守って生活している人が永住にふさわしいという考え方は、前からありました。今回、それを、はっきりとルールとして書くことにしたのが今回の制度の見直しです。
6.一度ビザが変わっても、また永住者になれる?
はい、なれます。
たとえば、何らかの理由で「永住者」から「定住者」など別のビザに変わったとしても、そのあと税金や社会保険をきちんと払って、ルールを守って生活していれば、もう一度永住ビザの申請をして、認められることがあります。
永住ビザは、「この人は日本の社会でしっかりやっていける人だ」と入管から認められた証です。
だからこそ、その信頼にふさわしい行動をしていないと、今後、入管局から確認のための連絡が来るかもしれません。
税金・社会保険料を滞納されているかた