高度専門職における年収計算と含まれない手当について
外国人の「高度専門職」ビザの申請においては、年収(年間報酬額)として認められる支給項目が厳格に定められています。とくに、不確定な支給や一時的な手当、福利厚生的な給付は、原則として年収に含まれません。
以下に、年収に含まれない主な手当・給付の例と、その理由を説明します。
次のような支給項目は、年収には含まれない扱いとなります。
- 業績連動型の賞与(ボーナス)
会社の業績や個人の成績に応じて変動する不確定な賞与は、年収に含まれません。
一方、あらかじめ支給額が定められている賞与(例:基本給の○か月分と明記されたもの)は、年収に含まれます。 - 固定残業代以外の残業手当(超過勤務手当)
実際の残業時間に応じて変動する支給であり、支給額が確定していないため年収に含まれません。 - 交通費・通勤手当
税法上、一定額まで非課税とされており、労働の対価とはみなされません。 - 住宅手当・家賃補助
年収として認められるのは、以下のような「定期的かつ確定的に支給される労働の対価」です。
- 基本給
- 役職手当
- 資格手当
- 確定している賞与 (例:毎年6月・12月に基本給の○か月分など)
これらは、雇用契約書や就業規則、給与規定に明記されており、かつ課税対象となっている必要があります。
以下の観点から、年収から除外される支給があります。
(1) 課税対象か否か
通勤手当や交通費など、一部の手当は所得税法により非課税扱いとされており、課税対象外の支給は年収に含まれません。
(2) 支給の確定性
会社業績や勤務状況に応じて変動する賞与や残業代は、将来の支給額が不確定であるため、年収としては算入されません。
(3) 福利厚生としての性質
社宅の無償提供、食事補助、引越手当などは労働の対価というよりも生活支援であり、給与所得とは区別されます。
(4) 法令・制度による区分
所得税法や社会保険の制度において、明確に非課税・非算定とされている手当については、年収にも含めないのが一般的です。
高度専門職ビザの申請においては、「確定している収入」のみが年収に算入されます。今後支給される可能性のある不確定な手当や一時金、福利厚生費用は、たとえ見込み額があっても原則除外されます。
まとめ
項目 | 年収に含まれるか | 備考 |
基本給 | 含まれる | 定期・確定支給、課税対象 |
役職手当・資格手当 | 含まれる | 雇用契約書等に記載、課税対象 |
確定賞与(例:基本給○か月分) | 含まれる | 支給額が明記されている場合 |
業績と連動した賞与 | 含まれない | 不確定なため |
残業代(固定残業除く) | 含まれない | 実績により変動 |
通勤手当・交通費 | 含まれない | 所得税法上、非課税扱い |
住宅手当・家賃補助 | 含まれない | 福利厚生的給付 |