米国と日本の二重国籍の方が日本国籍を選択する場合
条件、提出資料、注意点について
米国と日本国籍との両方を持つ方(重国籍者)が、日本国籍を選択する際の条件や必要書類、注意すべき点について、以下にまとめます。
日本の国籍法では、重国籍者は一定の期限内にいずれかの国籍を選択する義務があります。
国籍選択の期限
重国籍者がどのタイミングで国籍を取得したかによって、国籍選択の期限は次のように異なります。
- 18歳未満で重国籍となった場合:20歳に達するまで
- 18歳以上で重国籍となった場合:重国籍になってから2年以内
なお、2022年4月1日の民法改正により成年年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、国籍選択の期限にも変更が加えられています。
経過措置(例)
- 2022年4月1日時点で20歳以上の重国籍者:22歳までに選択
- 2022年4月1日時点で18歳以上20歳未満の重国籍者:2022年4月1日から2年以内に選択
☑ 期限を過ぎてしまった場合でも、日本国籍を選択する届出は可能です。
ただし、そのまま放置していると、法務大臣から「国籍選択の催告」を受け、最終的には日本国籍を失うおそれもあります。
届出を行う人(届出人)
- 15歳以上の場合:本人が届出
- 15歳未満の場合:親権者等の法定代理人が届出
2 提出資料
日本国籍を選択するには、以下の書類を提出する必要があります。
主な提出書類
国籍選択届
市区町村役場、在外公館(日本大使館・領事館)で配布
手書き以外に、パソコンで入力・印刷したものも利用可(ただし署名は自筆)

重国籍となったことがわかる資料
例:米国パスポートなど
日本のパスポート
提示のみでOK(コピーや提出は不要)
戸籍謄本(必要な場合のみ)
令和6年4月1日以降、原則として在外公館での届出時に提出不要
ただし、本籍地が「戸籍電算化」されていない場合は提出が必要となります。
提出先
日本にいる場合:本籍地または住所地の市区町村役場
海外にいる場合:現地の日本大使館または領事館
3 注意点
■ 米国籍の離脱について
国籍選択届を提出して「日本国籍を選び、外国籍を放棄する」と宣言したとしても、自動的に米国籍が消滅するわけではありません。
米国籍を放棄するには、別途アメリカの国籍離脱手続き(expatriation)が必要です。
離脱手続きには、Form DS-4079(国籍喪失意思確認)や
Form 8854(納税関連)などの提出が伴う場合があります。
詳細は、在日米国大使館または領事館に相談してください。
■ 自らの意思で米国籍を取得した場合の扱い
日本国籍を有する者が自らの意思で米国市民権を取得した場合は、その時点で日本国籍を失います。
この場合、「国籍喪失届」を提出する必要があります。
たとえば、帰化や宣誓によって米国籍を取得した場合がこれにあたります。
■ 本籍地の正確性
届出書に記載する本籍地が正しくないと、手続きに時間がかかる可能性があります。あらかじめ戸籍謄本などで正確な情報を確認しておきましょう。
■ 期限後の届出について
国籍選択の期限を過ぎたからといって、選択義務が免除されるわけではありません。できるだけ早く届出を行ってください。
■ 手数料
国籍選択届の提出に手数料はかかりません。