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2025/9/24

「創業計画書」の作成について

 

「創業計画書」の作成について

 この創業計画書は、主に日本政策金融公庫から融資を受ける際に提出する重要な書類です。

事業内容や計画の妥当性、経営者の能力、返済可能性などを審査するために使用されます。

したがって、各項目について具体的かつ説得力のある内容を記載することが求められます。

 

各項目の質問内容・意図・記載上の注意点

1 創業の動機

質問内容:

創業されるのは、どのような目的、動機からですか。

質問の意図:

事業に対する創業者(あなた)の熱意や本気度を測るための項目です。

なぜこの事業を始めたいのか、事業にかける思いが明確で強いほど、困難に直面しても事業を継続できるだろうと評価されやすくなります。

記載上の注意点:

個人的な夢や思いだけでなく、自身の経験やスキルと結びつけて、「なぜ今、この事業でなければならないのか」を具体的に説明しましょう。

例えば、「長年〇〇業界で培った経験とスキルを活かし、既存のサービスにはない△△という価値を提供することで、地域社会に貢献したい」といったように、経験の裏付けと社会的な意義を盛り込むと説得力が増します。

 

2 経営者の略歴等

質問内容:

略歴: 勤務先名だけでなく、担当業務や役職、身につけた技能等についても記載してください。

過去の事業経験: 事業を経営していたことはないか、ある場合はその内容や状況。

取得資格: 事業に関連する資格など。

知的財産権等: 事業に関連する特許や商標など。

質問の意図:

これから始める事業分野において、経営者に十分な経験や知識、スキルがあるかを確認する項目です。

事業成功の実現可能性を判断する上で、経営者の能力は最も重要な要素の一つと見なされます。

記載上の注意点:

職務経歴は単に羅列するのではなく、今回の創業に直接的・間接的に活かせる経験を強調して記載しましょう。

マネジメント経験、営業成績、専門技術など、具体的な実績を数字で示すと効果的です。

事業に関連する資格は、専門性のアピールに繋がるため、漏れなく記載してください。

 

3 取扱商品・サービス

質問内容:

取扱商品・サービスの内容: 商品・サービスごとの売上シェア。

セールスポイント(自社の強み): あなたの商品・サービスの強みは何か。

販売ターゲット・販売戦略: 誰に、どのようにして販売・提供するのか。

競合・市場など自社を取り巻く状況: 競合店の状況や市場のニーズをどう見ているか。

質問の意図:

事業の具体的な内容と、その事業が市場で成功する見込みがあるかを判断するための項目です。

商品・サービスの魅力、販売方法、市場分析がしっかりできているかを確認します。

記載上の注意点:

セールスポイント: 「品質が良い」「価格が安い」といった抽象的な表現ではなく、「国産〇〇産の原料のみを使用」「独自の技術により他社より20%低価格を実現」のように、具体的に記載します。

販売ターゲット: ターゲット顧客を「30代の働く女性」「地域の高齢者」など具体的に設定し、そのターゲットに響く販売戦略(例: SNSでの情報発信、チラシのポスティングなど)を明確にしましょう。

競合: 競合の強み・弱みを分析した上で、自社がどのように差別化を図り、顧客を獲得していくのかを論理的に説明することが重要です。

 

4 従業員

質問内容: 常勤役員の人数、従業員数(うち家族従業員、パート従業員)。

質問の意図:

事業計画に適した人員体制が整っているか、また人件費が事業計画に正しく反映されているかを確認します。

記載上の注意点:

創業当初の従業員計画を記載します。未定の場合は、採用計画を記載しましょう。

ここで記載する人数と、後述の「9. 事業の見通し」に記載する人件費に整合性があることが重要です。

 
5 取引先・取引関係等

質問内容: 販売先、仕入先、外注先の名称、取引内容、取引条件など。

質問の意図:

事業の安定性を確認する項目です。

創業時点ですでに具体的な取引先が決まっている場合、売上や仕入の見込みが立ちやすく、事業の実現可能性が高いと評価されます。

記載上の注意点:

既に取引の約束や見込みがある場合は、具体的に記載します。これにより、事業計画の信頼性が高まります。

掛取引(代金を後で回収・支払いする取引)の場合、入金や支払いのサイト(期間)を明確に記載してください。これは運転資金の計算に影響します。

 

関連企業

質問内容: お申込人もしくは法人の代表者または配偶者が経営されている企業がある場合にご記入ください。

質問の意図:

申込者(経営者)全体の事業状況や財務状況を把握するために確認します。

記載上の注意点:

該当する場合は、正直に記載してください。既存事業の状況が、今回の融資審査に影響を与える可能性があります。

 

借入の状況

質問内容: 法人の場合、代表者の方のお借入も含め、個人的な借入(住宅ローン、自動車ローン、カードローンなど)の状況。

質問の意図:

個人の信用情報を確認し、返済能力を審査する上で重要な項目です。

事業融資の返済と個人の借入返済が両立できるかを判断します。

記載上の注意点:

全ての借入を正確に、正直に申告してください。ここで虚偽の記載をすると、信用を失い、融資が受けられなくなる可能性が非常に高いです。

 
8 必要な資金と調達方法

質問内容:

必要な資金: 何にいくら必要なのか(設備資金、運転資金)。

調達の方法: その資金をどうやって集めるのか(自己資金、親族からの借入、金融機関からの借入など)。

質問の意図:

融資希望額の妥当性と、資金計画全体の健全性を審査する最重要項目の一つです。

特に、創業に必要な総資金のうち、自分でどれだけの自己資金を準備できているかは、事業への本気度を示す指標として重視されます。

記載上の注意点:

必要な資金: 店舗の保証金、内外装工事費、機械・厨房設備、商品仕入費、広告宣伝費など、必要な項目を漏れなく洗い出し、見積書などを基に具体的な金額を記載します。金額は希望的観測ではなく、根拠のあるものにしてください。

調達の方法: 自己資金は、通帳のコピーなどで証明できるように準備しておきましょう。見せ金(一時的に借りてきたお金)は認められません。

左側の「必要な資金」の合計額と、右側の「調達の方法」の合計額は、必ず一致させる必要があります。

 

事業の見通し(月平均)

質問内容:

創業当初および事業が軌道に乗った後(1年後又は売上が安定した後)の売上高、売上原価、経費、利益の計画。

質問の意図:

事業が将来的にきちんと利益を出し借入金を返済していけるかを判断するための収支計画です。

計画の実現可能性と、経営者としての計数管理能力を見ます。

記載上の注意点:

売上高: 「客単価 × 座席数 × 回転数 × 営業日数」のように、算出根拠を明確に示してください。希望的・楽観的な数字ではなく、現実的な数字を積み上げて計算することが重要です。

売上原価(仕入高): 想定される原価率を基に計算します。

経費: 家賃、人件費、水道光熱費、広告宣伝費、借入返済額など、考えられる経費を漏れなく計上します。特に人件費は「4. 従業員」と、減価償却費は「8. 必要な資金」の設備投資額と整合性を取る必要があります。

最終的な「利益」から借入金の返済が可能かどうか、必ず確認してください。

 

10 自由記述欄

質問内容:

アピールポイント、事業を行ううえでの悩み、希望するアドバイス等

質問の意図:

これまでの項目で伝えきれなかった熱意や事業の独自性、将来性などをアピールする機会です。

記載上の注意点:

空欄にせず、積極的に活用しましょう。事業にかける思いを改めて伝えたり、具体的な販売促進計画を補足説明したりするなど、計画の説得力を高めるために使いましょう。
 
 
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