12/4(木) 20:21配信 毎日新聞
政府は、日本国籍を取得するための「日本での居住期間」要件を、
現在の5年以上から実質10年以上へと引き上げる方向で調整している。
国籍法自体は変更せず、運用面で基準を厳格化する見込み。背景には、
国籍の取得要件が永住許可(原則10年以上)より"ゆるい"
ことへの問題視があるため。
厳格化の背景:居住要件「5年」から「実質10年」への動向
帰化の居住要件に関する最新の状況を説明します。
現行の法律(国籍法)の原則要件:
現在、日本国籍を取得する「普通帰化」の基本的な条件は、
「引き続き5年以上日本に住所を有すること」です。
この「5年」という規定自体は、法律の条文上は変更されていません。
最近の厳格化の動向:
近年、法務省の審査実務がより厳しくなる傾向にあります。
これは、外国人が国籍を持ったまま日本で無期限に住める「永住許可」
の原則要件が「10年以上の在留」であることとの整合性を図るためです 。
その結果、形式的な「5年」を満たすだけでなく、
「実質的に10年以上の在留歴」
「3年以上の安定した就労実績」
「税金や年金の支払い状況の安定性」
が、許可を得るための事実上の重要な基準
として求められるようになっています 。
この「法律の 5年」と「実務上の実質 10年」の" ギャップ "が、
現在の帰化申請において最も重要なポイントです。
帰化とは?(=外国籍から日本国籍への変更)
帰化申請の重要5条件(許可のハードル)
帰化するためには、以下の5つの要件をすべて満たさなければなりません。特に最近は、運用が厳格化しています。
住所条件(長期の在留実績):
能力条件: 18歳以上であること。
素行条件(社会生活の安定性):
生計条件: 申請者やその家族が、日本で経済的に安定して暮らしていけるだけの収入や資産があること。
重国籍防止条件: 原則として、日本国籍取得後に元の国の国籍を放棄する意思があること。(日本は二重国籍を原則認めていません。)
帰化申請の具体的な流れ(長期戦のステップ)
帰化申請は、手続き全体で1年半〜2年程度かかる長期的なプロセスです。
相談予約・準備(待機期間が長い)
面談・正式申請
審査(最も時間がかかる期間)
担当官による追加面接(日本語の読み書きテストを含む)が行われます。
自宅や職場への訪問調査、家族への面接など、裏付け調査が慎重に行われます。
特に税金・年金の納付状況は細部まで確認され、追加書類の提出も頻繁に求められます。
許可・国籍取得
帰化人とその社会的地位
帰化人とは 帰化の手続きによって日本国籍を取得した人の一般的な呼び方です。
地位 法律上は、生まれながらの日本人と全く区別なく、完全な日本国民として扱われます。
帰化人 政治家 日本国籍を取得すれば、そのルーツに関係なく、国会議員や地方議員として政治活動を行うことができます。また、国籍取得により、選挙権・被選挙権が付与されます。