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鈴木秀雄 行政書士事務所
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2026/1/28

日本の永住・帰化ルールは、いつから、どう変わる? 2026年からの制度変更について

日本の永住・帰化ルールは、いつから、どう変わる?

2026年からの制度変更について

 

2026年1月、日本政府は外国人政策の大きな転換点となる「総合的対応策」を決定しました。永住権や帰化(日本国籍取得)のルール見直しが報じられ、日本で暮らす多くの外国人コミュニティに不安が広がっています。

「私のビザはどうなるの?」「いつから厳しくなるの?」「今すぐ申請した方がいい?」

この記事では、行政書士の視点から、最新の公式情報と報道を基に、何が・いつから・どのように変わるのか、そして今から何を準備すべきかを、外国人の方々に分かりやすく、かつ正確に解説します。

重要なのは、パニックにならず、正しく理解し、準備することです。変化は一夜にして訪れるわけではありません。しかし、その流れは確実に始まっています。

1. なぜ今? 政府が目指す「秩序ある共生」

今回の変更の背景には、政府の新しい方針があります。それは「秩序ある共生社会の実現」という考え方です。これは、外国人を社会の一員として受け入れ、共生(living together)を支援する一方で、納税や社会保険料の支払いといった、社会のルールをきちんと守ってもらう「秩序(order)」をより重視するというメッセージです。

この方針に基づき、以下の3つの大きな柱が打ち出されました。

1.永住許可制度の適正化
税金や社会保険料を支払わない場合の永住許可取り消しなど

2.帰化審査の厳格化
日本国籍取得に必要な居住年数の実質的な延長

3.自治体との情報連携の強化
在留カードとマイナンバーカードの連携による情報把握

それでは、一つずつ具体的に見ていきましょう。

2.永住許可の変更点:3つの重要ポイント

永住権は、日本で生活する多くの外国人にとって大きなゴールです。今回の変更で最も注目すべきは以下の3点です。

ポイント1

永住許可の取消しルールが厳しくなる(2027年6月までに施行)

最も大きな不安を呼んでいるのが、一度取得した永住許可が取り消される可能性についてです。2024年に成立した改正入管法により、新しい取消事由が追加されました [2]。

新しい取消事由
•故意に税金(住民税など)や社保(年金・健康保険)を支払わない場合
•窃盗、詐欺、暴行などの罪で1年を超える懲役・禁錮刑に処せられた場合
•在留カードの更新など、入管法上の義務を正当な理由なく履行しない場合
しかし、ここで冷静になることが重要です。
出入国在留管理庁は、このルールが悪質なケースを対象としていると説明しています。

安心してください
•病気や失業など、やむを得ない理由で一時的に支払えない場合は対象外。•うっかりミス(例:在留カードを家に忘れる)で、すぐに永住権が取り消されるわけではありません。
•万が一取り消し事由に該当しても、多くの場合、即座に国外退去となるのではなく、「定住者」など別の在留資格への変更が検討されます。
この変更は、2027年6月までに施行される予定です。つまり、まだ時間はあります。

ポイント2

日本語能力と収入の要件が追加される(2027年以降)

現在、永住許可の申請には明確な日本語能力のレベル(JLPT N2など)は求められていません。しかし、今後は日本語能力が要件として追加される方針です。具体的なレベルはまだ決まっていませんが、今後、日本語能力を証明する必要が出てくるでしょう。

また、収入基準もより具体的に設定される見込みです。安定した生活を送れるだけの十分な収入があるかどうかが、これまで以上に厳しく審査されることになります。

ポイント3

あなたの「納税情報」が「見える化」される(2026年6月から段階的に)

なぜ政府は、税や社会保険料の支払いを厳しくチェックできるようになるのでしょうか?それは、在留カードマイナンバーカードの情報連携が始まるからです。

•2026年6月14日から: 在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の交付が始まります(これは任意です)
•2027年3月以降: 出入国在留管理庁と市町村の間で、税金や社会保険料の納付情報が直接連携される仕組みが本格稼働します 。
これにより、入管は申請者の納税状況を正確に把握できるようになります。ごまかしは効かなくなると考えるべきです。

3. 帰化(Naturalization)の変更点

「居住5年」→「居住10年」へ

日本国籍を取得する「帰化」についても、大きな変化が訪れます。

現在、国籍法では帰化の居住要件は「引き続き5年以上日本に住所を有すること」とされています。しかし、政府はこれを実質的に「10年以上」に引き上げる方針です 。
これは法律(国籍法)の改正ではなく、審査の運用(プラクティス)を変更することで対応すると見られています。どういうことでしょうか?

「運用変更」の意味
•申請(Apply)
法律上は、5年住めば帰化申請をすることは引き続き可能です。
•許可(Approval)
しかし、実際の審査では「10年以上の安定した居住実績」がなければ、許可が下りにくくなる可能性が高いです。
この変更は、永住許可(原則10年)より帰化(5年)の方が早く取得できるという「逆転現象」を解消する目的があります。
この運用変更は、2026年の早い段階から始まる可能性があります。

4. 今、あなたは何をすべきか?

では、これらの変化に対して、私たちはどう備えればよいのでしょうか。専門家として、3つのアドバイスを送ります。

アドバイス1

あなたの「記録」をクリーンにする
これからは、日本社会のルールを守る「善良な居住者」であることが、これまで以上に重要になります。以下の点を今すぐ確認し、整理してください。

・税金・社会保険料の棚卸し
過去に未払いや遅延はありませんか?
転職時に年金や健康保険の支払いに空白期間ができていませんか?
市役所や年金事務所で記録を確認しましょう。
・交通違反の確認
軽微な違反でも、繰り返していると「素行が善良でない」と判断される可能性があります。
・在留歴・職歴の整理
転職回数が多い、無職期間が長い、海外への長期出国が多いといった場合は、その理由を合理的に説明できるように準備しておきましょう。

アドバイス2

日本語能力「証明できる形」にする

「会話はできる」だけでは不十分になるかもしれません。
今から日本語検定を受験したり、ビジネスで日本語を使っている実績を文書で示せるようにしたりと、客観的に証明できる形で日本語能力を高めておくことが、将来の安心につながります。

アドバイス3

申請タイミングを戦略的に考える

もしあなたが永住帰化を真剣に考えているなら、専門家(行政書士など)に相談し、申請のタイミングを検討することをお勧めします。

特に、帰化を考えていて在住5年を超えている方や、永住申請の要件を満たしている方は、制度が完全に厳格化される前アクションを起こすことが有利に働く可能性があります。ただし、これは個々の状況によります。焦って不備のある申請をすれば、かえって不利になることもあります。

結論:変化はチャンスでもある

今回の制度変更は、多くの外国人にとって厳しいメッセージに聞こえるかもしれません。しかし、これは同時に、日本が外国人と共に生きていく社会のルールを明確にするプロセスでもあります。

ルールが明確になれば、何をすれば評価され、どうすれば安定した未来を築けるのかが分かりやすくなります。不確実な情報に惑わされず、この記事で解説した事実を基に、着実に準備を進めていきましょう。

あなたの日本での生活が、より豊かで安定したものになることを心から願っています。

 

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