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2026/9/17

離婚後の在留資格と親権について

離婚後の在留資格と親権について

日本人男性と結婚し、保育園に通う幼児と3人で日本で生活している外国人女性から相談がありました。

夫婦間で大きな喧嘩があり、仮に日本人の夫と離婚することになった場合、子どもの親権や監護を夫側に取られ、夫の実家で子どもを引き取られることになるのではないかと心配されていました。

また、現在の在留資格が「日本人の配偶者等」であるため、離婚した場合に日本に引き続き在留できるのか、子どもと離れて暮らすことになった場合には在留資格を失うのではないかという点についても不安を感じています。

このようなケースについて、行政書士としてどのような説明・助言ができるのか、また、2026年4月から施行された離婚後の共同親権制度も踏まえ、想定されるケースについて整理したいと考えています。

1. 在留資格(ビザ)に関するアドバイス

「日本人の配偶者等」の在留資格で在留している方が日本人配偶者と離婚した場合、自動的に日本に居られなくなるわけではありませんが、そのままでは在留更新ができません。

  • 「定住者」への変更の可能性

    • 日本人の実子を監護・養育する場合、「日本人の子を扶養する父親または母親」として、法務大臣の裁量により「定住者」の在留資格が認められる可能性が高くなります。

    • 最大の要件: 子どもの親権者(監護者)となり、日本で実際に子供を育て、監護・養育能力(経済力など)があることが証明できるかどうかが鍵となります。

  • 配偶者に関する届出の義務

    • 離婚後14日以内に出入国在留管理局(入管)へ「配偶者に関する届出(離婚した旨)」を行う法的な義務があることを必ず伝えてください。放置するとペナルティの対象となります。

2. 親権および子の監護に関するアドバイス

「夫の実家に子どもを奪われるのではないか」という不安に対しては、日本の法律における親権・監護権の仕組みや、実際の判断基準を説明して安心感と具体的な対策を示します。

  • 民法改正(共同親権の導入)と協議離婚

    • 改正民法により、離婚後の「共同親権」または「単独親権」の選択が可能になりました。ただし、夫婦間の話し合い(協議離婚)で合意ができなければ、どちらが親権を持つかは家庭裁判所の調停や裁判で決まります。

    • 勝手に子どもを夫の実家等に連れ去られた場合の対策として、裁判所を通じた「子の引き渡し請求」や「監護者指定の審判(および保全処分)」という法的手続があることを伝えます。

  • 「母子継続性の原則」の重要性

    • 特に子どもが幼い場合、日本の家事裁判実務では「母子継続性の原則」(これまで主に誰が育児を担ってきたか)が非常に重視されます。

    • もし相談者様が日常的に主要な育児を担ってきたのであれば、たとえ夫の実家であっても、一方的に親権や監護権を奪われる可能性は極めて低いです。普段の育児実績(保育園の連絡帳、通院履歴、写真など)を今から記録・確保するようアドバイスします。

3. 実務的なステップと行政書士としてのサポート

行政書士として、また他士業(弁護士等)と連携しながら行える具体的な支援策は以下の通りです。

  1. 証拠の保全と記録の推奨

    • これまでの家庭内での育児状況や、夫側による不当な引き離しの兆候(言動など)を日記やメモ、録音などで残すよう助言します。

  2. 弁護士(家事事件)への適切な引き継ぎ

    • 親権争いや子どもの引き渡し、離婚条件の協議自体は行政書士の業務範囲外(弁護士法違反)となるため、離婚に強い弁護士や法テラス(日本司法支援センター)を紹介・連携します。

  3. 離婚後の「定住者」ビザ申請のサポート

    • 離婚調停が成立した後、または裁判離婚が確定した後の「定住者」への在留資格変更許可申請書類の作成・代理申請を行政書士として引き受けることができます。

外国人配偶者の方が一人で抱え込んでしまわないよう、まずは落ち着いて証拠を揃え、必要に応じて弁護士と行政書士がチームでサポートする体制をご提案させていただきます。