永住許可ガイドライン
(令和8年10月1日改定)の重要ポイント
― 「収入」と「年金」の要件 ―
新ガイドラインには具体的な金額の記載はありませんでしたが、年収と30年の年金の基準については、以下のとおりです。
1.「収入」要件の深掘りと注意点
世帯年収の「足せる人・足せない人」の厳格化
- 合算できるケース:同居し、家計を共にしている配偶者や、まだ成人しておらず親の扶養に入っている子どもの収入。
- 合算できないケース:
- 成人した子どもや親:同居していても経済的に自立している場合はプラス不可(本人の収入だけで基準を超える必要があります)。
- 「家族滞在」などの配偶者:週28時間以内のパートやアルバイトなどの収入は世帯年収に合算できません。そのため、配偶者が「家族滞在」ビザの場合は、実質的に申請者本人の単独年収で基準をクリアする必要があります。
- 配偶者の在留資格が「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の場合は、上記の合算できないケースから除かれます。
扶養親族の人数による基準の引き上げ
- 日本にいない両親などを扶養(海外に仕送り等)している場合、同居していなくても世帯人数に含まれます。
- 世帯人数が増えるほど求められる年収水準も高くなり、5人以上の世帯では生活費の増加分がさらに上乗せされます。
- 上乗せ額は、扶養人数×約60~70万円。
2.「年金」要件の深掘りと対策
「30年・厚生年金」のハードル
- 基準となるのは、「日本人の平均を上回る年収で30年間働き、ずっと厚生年金に加入していた場合にもらえる額」です。
- 影響を受けやすい人:自営業などで「国民年金」のみの人、来日からの年数が浅く日本での厚生年金加入期間が短い人、過去に未納期間がある人。
不足分をカバーする「補填資産」の考え方
- 年金見込額が基準に届かなくても、不足分を補えるだけの預貯金などの金融資産(補填資産)があればクリアと認められます。
- 年齢による違い:若い人ほど、これから資産を形成できる時間が長いため、必要とされる補填資産のハードルは低く設定されます。
- 夫婦合算のルール:配偶者がいる場合は夫婦の年金見込額を合算でき、基準側にも配偶者の分が加算されます。ここに在留資格の制限の記載はありません。在留資格家族滞在の配偶者名義で所有している不動産も世帯の資産として計上も可能です。
3.見込額に届かない場合の「補填資産」の救済措置
- 過去の未納や加入期間の短さで計算上の見込額が基準に少し満たない場合でも、補填資産でカバーできる仕組みがあります。
今後の具体的なアクションプラン
- 世帯年収のシミュレーションと確認
- 「家族滞在」の配偶者の収入を除外した上で、合算可能な世帯年収が基準を上回っているかを直近の課税証明書等で確認する。
- 年金加入状況と見込額のチェック
- 「ねんきんネット」等を利用して、これまでの加入期間、未納の有無、将来の受給見込額を正確に把握する。
- 補填計画・資産の見直し
- 年金見込額が基準に届きそうにない場合は、年齢に応じた金融資産が十分に確保できているかを確認し、計画的な準備を進める。
適用時期
- 以上については、2026年10月1日以降の申請に適用されます。
- なお、日本語要件(日本語検定N2程度)については、2027年4月1日以降に適用されます。